研究論文(Papers)
- 井本亮(2018)「形容詞連用修飾関係の構文ネットワーク分析」『日本認知言語学会論文集』18 【researchgate】
——This paper argues the proper treatment of Adverbial Modification of Adjectives (henceforth AMA) in Japanese, such as “the boat rocks widely” (fune-ga ookiku yureru), or “to inflate a balloon big” (fuusen-o ookiku fukuramaseru). Its aims are to point out the contrastive characteristics of AMA; the wide range of readings of modification exemplified above; and the semantic function as a further specification in common. These characteristics have received little attention in the previous literature, which has only focused on the taxonomy of adverbials, or the distinction of manner/result complementarity. In this paper, then, I propose to analyze AMA as a constructional network to capture these characteristics.
研究書(Books and other publications)
- 井本 亮(2021)「感情形容詞の連用修飾—主観性を導く構文の機能」天野みどり・早瀬尚子(編)『構文と主観性』くろしお出版, pp.221-239. 【くろしお出版】
——「野原にバス停がさびしく立っている」「磐梯山が頼もしくそびえている」など、感情形容詞による情態修飾の事例に連用修飾構文のネットワークを適用し、話者読みの成立を支える認知的基盤・構文的機能を検討し た。ここには詳述指定構文を文法的に成立させるために感情形容詞の主観性を導入する必要があるという機能的要請があり、感情形容詞の語彙的特性がそれに呼応できたために成立した事例と言える。近年、感情形容詞の語彙論的研究が進展を見せているが、連用修飾の事例については分析が十分に及んでおらず、本研究の成果はその課題に応えるものと言える。
- 井本 亮(2020)「形容詞連用修飾の未確定性をどう捉えるか—文の成分の語用論」加藤重広・滝浦真人(編)『日本語誤用論フォーラム3』ひつじ書房, pp.135-171.【ひつじ書房】
——「風船が大きくふくらむ」「船が大きく揺れる」「経済に大きく影響する」など、次元量形容詞の形容詞連用修飾において、なぜこのような多種多様な読みが生じうるかという根源的問題に対して、文の成分の意味解釈のメカニズムに語彙意味論・構文文法論・語彙語用論という多面的かつ重層的なプロセスが関わっていること、これらの解釈プロセスがオンラインでの意味構築プロセスであることを見出し、さらには多様性の源泉はあくまでも文の成分の構文機能に求められることなどを論じた。
研究発表(Presentations)
- 井本 亮 (2024)「存在様態を表す情態修飾関係について:「カレーに肉が大きく入っている」文の分析」(現代日本語文法研究会第19回大会)
- 井本 亮 (2023)「パイりんご文の位置づけについて」(現代日本語文法研究会第19回大会)
- 井本 亮 (2021)「「アップルパイにリンゴが大きく入っている」:モノの存在のサマを表す形容詞連用修飾」(日本語文法学会第22回大会)【発表スライド】
- 井本 亮 (2020)「程度修飾と情態修飾の接点について―ヨウニ節を手がかりに」(現代日本語文法研究会第16回大会)
- 井本 亮 (2019)「感情感覚形容詞の構文間ネットワーク:話者認識タイプを中心に」(日本言語学会第158回ワークショップ)【発表スライド】
- 井本 亮 (2019)「形容詞連用修飾に現れる主観性をめぐって」(現代日本語文法研究会第15回大会)
研究プロジェクト(Research projects)
- 日本語学術振興基金科学研究費補助金「空間的変化を表す構文の広がりと副詞的修飾関係の様相の体系的位置付け」(基盤研究(C)24K03911), 研究代表者:井本亮【KAKEN】
- 日本語学術振興基金科学研究費補助金「形容詞連用修飾の創発性をとらえ修飾関係を予測する構文ネットワーク分析」(基盤研究(C)18K00604), 研究代表者:井本亮【KAKEN】
その他(Misc.)