構文的アプローチによる日本語の連用成分と修飾関係の記述的研究

研究課題Ⅰ|空間的変化を表す構文の広がりと副詞的修飾関係の様相の体系的位置付け

  • 学術振興基金科学研究費補助金(基盤研究(C)24K03911)
  • 研究代表者

概要

本研究は、「壁にポスターを(大きく)貼る。」「色紙にサインを(大きく)書く。」「机に花を(美しく)飾る」など、空間的変化を表す動詞文に係って〈実体(モノ)〉の情態(サマ)を表す副詞的修飾関係について、動詞構文と副詞的修飾の両観点から分析を行う。そして、〈位置変化〉〈展示〉〈作成〉など多様な事象タイプが構文型を共有して「空間的変化動詞構文」の下位構文として体系化されること、その中で存在のサマの修飾関係を表す副詞的修飾関係が多様な事象タイプに成立することについて、その様相を語彙・構文アプローチとコーパスデータの精査から実証的に明らかにする。

研究課題Ⅱ|形容詞連用修飾の創発性をとらえ修飾関係を予測する構文ネットワーク分析

  • 学術振興基金科学研究費補助金(基盤研究(C)18K00604)
  • 研究代表者

概要

本研究の目的|構文ネットワークによる分析が形容詞連用修飾の有効な記述モデルであり,コーパスデータに現れる形容詞連用修飾関係の多様なタイプが構文レベルで予測可能であることを実証すること,そして,その具体的な様相を記述的に明らかにすることである。

本研究の対象と手法|「風船が大きくふくらむ/手を大きく振る/意見が大きく異なる/経済に大きく影響する」のような〈形容詞連用形+動詞句〉による形容詞連用修飾関係を研究対象とし,その構文的特性を考察する。分析の手法として〈構文文法における構文ネットワークの枠組み〉を導入し,〈大規模コーパスデータの探索型調査〉によって,産出される修飾関係のタイプを広く観察・記述していく。そして,各形容詞の修飾関係のタイプの分布の様相,動詞語彙の意味クラスから直接予測できるタイプと事象全体に拡張させて予測できるタイプなどに分類しながら,それぞれの成立条件を明らかにする。

 

研究課題Ⅲ|やさしい日本語の理念に基づく移民時代の持続可能な多文化社会実現のための総合的研究

  • 学術振興基金科学研究費補助金(研究代表者:庵功雄、基盤研究(A))
  • 研究分担者